労務ニュース スマイル新聞

2019年9月 8日 日曜日

令和元年9月8日第489号

自転車事故について

1.高額な損害賠償
 自動車やオートバイ等の車両を事業に使用しておられる事業所は多いことでしょう。全ての車両は自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)への加入が義務付けられており、交通事故等のいざという時に備えていなければなりません。
 ところが「自転車」には、保険への加入義務は現在ありません。ただし2015年に兵庫県の条例で自転車保険の加入が義務付けられて以降は、全国の自治体で自転車保険の加入を義務付ける動きがあります。
 2008年、11歳の小学生が自転車で走行中に62歳の女性に衝突、頭を強く打った女性はその後意識が戻らず、2013年には神戸地裁が少年の母親へ9,521万円の損害賠償金の支払を命じています。しかし少年の母親は自己破産を申請し、被害者側は慰謝料等の支払を受けることができませんでした。他にも、高校生が自転車で走行中に同じく自転車で走行していた24歳の男性と衝突、男性に言語機能喪失の障害が残り、9,266万円の損害賠償の判決認容額が出ています。
2.加害者になったら
 一般的に自転車保険の補償範囲は、個人賠償責任保険と傷害保険をセットにしたものがほとんどです。個人賠償責任保険は、被保険者が日常生活において偶然な事故で他人を死傷させたり、他人の物に損害を与えたりした結果、法律上の損害賠償責任を負うことによって被った被害を補償します。支払限度額は保険商品によって異なりますが、1億円や無制限など、上記のような高額の損害賠償に対応できるものも存在します。
3.被害者になったら
 自転車同士の事故の被害者となれば、当然に被害者は加害者に損害賠償を請求するわけですが、加害者が適切な保険に加入していない場合、十分な補償を得ることが難しかったり、自分自身の過失分の金銭を受け取ることができなかったりします。
そういった場合は被保険者自身の偶発的外力による死亡や治療を主に補償する障害保険等での対応も考えられます。また自動車保険の人身傷害保険は原則として契約自動車に搭乗中の死傷や後遺障害を補償するものですが、自転車事故が補償範囲に入るオプションもあります。事前に確認しておきましょう。

 誰しもが交通事故の加害者にも被害者にもなる可能性があります。従業員や経営者のもしもの時に備えることは、非常に重要です。 


投稿者 イケダ労務管理事務所

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