労務ニュース スマイル新聞

2006年11月23日 木曜日

平成18年11月23日(第182号)...「事業承継3つの方法」のメリット・デメリット



このたび中小企業庁より「中小企業の円滑な事業承継のための手引き」が発行されましたのでご紹介いたします。下記をご確認のうえ、十分な検討を実施したいものです。

親族内承継(身内への承継)
メリット:1)一般的に、内外の関係者から心情的に受け入れられやすい。(従来は身内
への承継が一般的だったため)
      2)後継者を早期に決定し、後継者教育等のための長期の準備期間を確保することも可能。 
3)相続等により財産や株式を後継者に移転できるため、所有と経営の分離を回避できる可能性が高い。
デメリット:1)親族内に、経営の資質と意欲をあわせもつ後継者候補がいるとは限らない。(世襲にこだわると、結果として会社経営が濁ることもある。)
  2)相続人が複数いる場合、後継者の決定や経営権の集中が難しい。(不公平感をともなう後継者以外の相続人への配慮が必要となる。)
従業員等への承継(社内人材への承継)
メリット:1)親族内だけでなく、会社の内外から広く候補者を求めることができるた
め次世代の経営に、ある程度の選択肢(選択の幅)を持つことができる。 
2)特に社内で長期間勤務している従業員に承継する場合は、会社に対する愛着心などが存在するため、経営の一体性を保ちやすい。
デメリット:1)親族内承継の場合以上に、後継者候補が経営への強い意思を有していることが重要となるが、必ずしも適任者が存在するとはいえない。
2)後継者候補において、事業承継のための株式購入に必要な資金力がない場合が多い。
 3)個人債務保証の引継ぎなどの問題が多い。
M&A(第三者への承継)
メリット:1)身近に後継者として適任な者がいない場合でも、広く候補者を外部に求
めることができる。
 2)現経営者が会社売却の利益を獲得できる。
デメリット:1)希望の条件(従業員の雇用、価格など)を満たす買い手を見つけることが非常に困難である。 
2)経営の一体性を保つことが困難である。
                 (スマイルグループ 不動産鑑定士)

投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL

2006年11月 8日 水曜日

平成18年11月8日(第181号)...労働者の業務遂行上の過失と損害賠償請求



労働者が仕事を遂行している途中で、ミスを犯して会社に損害を与えたり、又は第三者に損害を与えて、会社が肩代わりして支払った賠償額を労働者に求償する場合があります。会社が労働者に対して取り得る措置としては、人事上の措置や損害賠償を請求する等が一般的に考えられます。

1.会社が取り得る人事上の措置
会社は、就業規則で定めた譴責、戒告、減給、出勤停止等の懲戒処分をしたり、降格や配置転換、解雇(場合によっては懲戒解雇)等の人事上の措置を取ることができます。
例えば、軽微な過失による事故に対し、解雇等の重大な処分をすることは問題がありますが、そのミスが労働者の能力や適格性の欠如による場合には、解雇や契約更新拒否等の措置も理由があると判断されます。ただし、解雇や契約更新拒否等は労働者に与える不利益が大きいので、労働者の犯したミスと不利益が均衡しているか、会社がミスを回避するための安全対策や教育訓練をどの程度講じたか等を考慮して、判断する必要があります。

2.損害賠償の請求又は求償
労働者が仕事を行っている時にミスを犯す等、労働契約上の債務不履行があった場合に、実際の損害発生の有無や損害額にかかわらず、一定の違約金を定めたり、賠償額をあらかじめ定めておくことは、労働基準法第16条で禁止されています。ただし、労働者のミスによって具体的に会社に損害を与えた場合に、会社がその損害額を労働者に請求することは禁止されていません。労働者に故意や過失があれば、債務不履行又は不法行為として、損害賠償責任が発生するのが原則です。
しかし、労働者が労働を遂行する過程で通常発生する事が予測されるミス(軽微な過失)の場合は「損害の公平な分担」という信義則上の基本理念から、損害賠償責任を認めることは難しいと言えます。この「損害の公平な分担」は、労働者の業務遂行は会社が決定しており、そこから発生することが通常予想されるリスクは、会社が負担することが公平であるという基本理念です。判例は、労働者に対する損害賠償を認めないものや労働者が第三者に与えた損害を会社が肩代わりして支払った場合に、会社の労働者に対する求償権の行使を認めないのが一般的と言えます。
ただし、労働者が故意や重大な過失で会社に損害を与えた場合は、上記の「損害の公平な分担」という基本理念を適用する余地はありませんので、会社は全ての損害について請求することができます。

3.確認しましょう
□就業規則に、懲戒処分に関する規定はありますか。
□その懲戒規定の内容は、犯したミスと処分内容の均衡がとれていますか。
□過度なノルマ、過重な労働等を課さないよう事故防止策を講じていますか。
□日頃から、機械の点検や安全対策への安全教育に力を入れていますか。
□任意保険等に加入するなど、リスクの分散をしていますか。

就業規則の策定・見直しに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
(スマイルグループ 社会保険労務士)

投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL

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