労務ニュース スマイル新聞

2007年2月23日 金曜日

平成19年2月23日(第188号)...内部統制システムって何?



2001年12月と2002年6月と相次いで起きた、エンロン事件、ワールドコムの二大粉飾決算・倒産事件を契機にアメリカでSOX法(靴下の話ではありませんよ、サーベインス、オックスレーという2人の法案提案者の名前を取って呼ばれるようになりました)という法律ができ、内部統制システムを強化し、粉飾を防止しようということになりました。日本でもカネボウの粉飾事件やライブドアの粉飾事件は記憶に新しいところだと思います。

そのSOX法が、日本にも上陸し、会社法、日本版SOX法(金融商品取引法)の中で内部統制システムの強化を取り入れることになり、平成19年4月以降開始する事業年度から適用されることになりました。そのため、株式公開企業は、右往左往しているのが現状です。

では、そもそも『内部統制システムって何?』ということになるわけですが、簡単に言うとリスクマネジメントの仕組みだと考えていいと思います。特に粉飾防止(財務報告の信頼性の確保と言っています)のための仕組みとその仕組みの有効性のチェックをしなさいということです。業務のプロセスの中には、適切な承認がなされていない、データの網羅性が確保されていない、会計基準が守られない、法律が守られない(サービス残業はそもそも法律違反)、業務効率が悪いといったようなことが内在しています。こうした、さまざまなリスクをコントロールするために、何か対策をしなさいというのが内部統制システムの話です。そんなに簡単なものかということですが、専門的にいうと複雑になりますので、大雑把にこんなとらまえ方をしていただけるとわかりやすいと思います。

では、中小企業には関係ないのか、と言うとそうではありません。リスクなんて中小企業の方がもっと多いので、中小企業でも内部統制システムは必要ですね。早い話、金庫を預かっている人は、社長が一番信頼されている人ではないですか。これすなわち内部統制システムです。大会社は、法律で"つくりなさい"と強制されているので大変なだけです。特に、日本人が一番苦手な「文書化する」っていう作業が膨大になる。これが、大企業を悩ましている原因です。
今後内部統制システムを体系化していくことが急務になりますね。
                                    (スマイルグループ 公認会計士)

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2007年2月 8日 木曜日

平成19年2月8日(第187号)...パワハラ~職場における人格侵害行為



パワーハラスメントを略して「パワハラ」といいます。パワーハラスメントという言葉は造語で、「職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること」と定義されています。ボスハラスメント(ボスハラ)ともいわれています。これらの言葉は、職場における人格的利益の侵害を捉えたものです(人格的利益=身体的自由、自己決定、名誉、プライバシーなど)。
職場において人格侵害行為がなされた場合、行為をした個人にとどまらず、企業が使用者として、また安全配慮を怠ったとして責任を追求される場合があります。
上司が「おまえは馬鹿か。馬鹿は馬鹿なりの仕事をしろ」「帰れ、橋の下でホームレスをやった方がいい」「おい、リストラ」と呼ぶ、従業員全員のいる朝礼で「仕事の遅い人が来ました」というなど屈辱的な取り扱いを続け、さらに暴力を振るって怪我を負わせた事案について上司と企業に損害賠償責任を認めた判例があります。
現在、具体的に問題化している企業はそう多くないかもしれません。しかし、最近は権利意識の高まりを背景に、心身にわたって深刻な被害が生じているケースが取り上げられ、当事者から問題を積極的に訴えることが増えています。いったん訴訟等になれば企業イメージが著しく低下することは避けられません。そもそもこのような行為が横行しているようでは、従業員の士気も上がらず、人材の定着も見込めません。効率性の点からいっても優先して対策を講じることが肝要です。
具体的にどのような対策を講じるかについては、(平成10年労働省告示第20号参照)
(1)企業の方針を明確にし、従業員に周知する。研修・講習を行う。
(2)相談・苦情処理制度を設ける。
(3)申出に対しては迅速に処理担当者が直接事実を確認する。
(4)侵害行為をした者に対しては配置転換や就業規則に基づく毅然とした対応を取る。
(5)申し出た者のプライバシーに配慮し、申し出たことを理由とする不利益取り扱いをしない。を主なポイントと考え、セクシュアルハラスメントに対する対策をヒントにすればよいでしょう。
パワハラという言葉からは、上司と部下の関係が想起されますが、同様の問題は同僚同士でも発生します(いじめ)。職場における人格侵害行為の問題について、幅広く検討しておくことが求められます。                      

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