労務ニュース スマイル新聞

2012年10月24日 水曜日

平成24年10月23日第324号

労働者派遣法の改正
 平成24年10月1日から労働者派遣法改正法が施行されました。
 派遣労働者の保護と雇用の安定を図るため、派遣会社・派遣先には新たに義務が課されました。
 新たに課された主な義務は次のとおりです。

派遣会社に課された義務
(1)雇用期間が30日以内の日雇派遣の原則禁止
 但し、ソフトウェアの開発や財務処理などの政令で定める業務に派遣する場合、60歳以上の人、雇用保険の適用を受けない学生、副業として日雇派遣に従事する人※、主たる生計者でない人*のいずれかに該当する人を派遣する場合は例外として認められます。※生業収入500万以上 *世帯収入500万以上
(2)グループ企業内派遣を8割以下に規制
(3)マージン率や教育訓練に関する取組み状況、派遣料金の明示
 雇入れ時、派遣開始時、派遣料金額の変更時には派遣労働者本人への派遣料金又はッ所属する事業所における派遣料金の平均額(1人当たり)の明示が求められます。
(4)待遇に関する事項などの説明
 労働契約締結前に派遣労働者に対し、賃金の見込み額や待遇に関すること、派遣会社の事業運営に関すること、労働者派遣制度の概要の説明が義務化されました。
(5)有期雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置
 有期雇用の派遣労働者の希望に応じ、無期雇用への機会の提供、派遣先での直接雇用の推進、教育訓練の実施のいずれかの措置をとるよう努めなければなりません。
(6)派遣労働者が無期雇用労働者か否かを派遣先への通知事項に追加

派遣先に課された義務
(1)派遣先の都合で派遣契約解除時に講ずべき措置
 新たな就業機会の提供、休業手当などの支払いに要する費用の負担などの措置です。
(2)労働契約申込みみなし制度の導入(平成27年10月1日施行)
 派遣先が違法派遣であると知りながら、派遣労働者を受入れている場合、違法状態が発生した時点で派遣先が派遣労働者に直接雇用の申込をした者とみなす制度です。

派遣会社・派遣先の両方に課された義務
(1)離職後1年以内の人を元の勤務先に派遣することの禁止
 直接雇用者を派遣労働者と置き換え、労働条件を切り下げることを防ぐためです。
(2)派遣先で同種の業務に従事する労働者との均衡待遇の確保



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2012年10月11日 木曜日

平成24年10月8日第323号

どんぶり勘定

1.なんのために使った費用?
 簿記を教えているときに「決算の結果は勝手に出るものではない、役員、社員皆の意思決定や活動(営業や製造など)の結果が反映されています。」と教えています。企業の経営成績である「業績」を良くしようとすれば、「皆さんの意思決定や活動を変えないと変わらない。」ということを何回も繰り返し話をしています。ところが、自分たちの取った活動の結果がどんな費用に計上されているのか、製造原価なのか、営業・管理費なのかをすべてごちゃまぜにして計算している企業が多いのです。月次の在庫も正確に把握せず(数量も原価も)すべてどんぶり勘定。これでは自分たちの企業の実態が分かりませんし、どう意思決定や活動を変えれば利益につながるのかがなかなか見えてきません。

2.製造コストは何故把握しないといけないのか?
 高度成長時代(ずいぶん昔のこと)のように需要そのものが大きく伸びているときには何をしても、どんぶり勘定でも利益が出ました。バブルが崩壊して久しいですが、特にここ10年間で海外企業との品質価格競争にさらされ、得意先からはどんどん価格下げの要求が厳しくなってくると、どんぶり勘定をしてきた企業はその要求に応えられない体質になってしまっています。1単位あたり(個数、㎡、セット等の売買単位)のコストが分からなければ勝負になりません。だからこそ製造コストの計算が必要になってくるのです。

3.どうしたらいいのか?
 まず、使った費用は製造原価と販売費・管理費に最低でも分ける必要があります。製造原価をさらに製品別等に配分し、適切な製品別コストを計算するにはやはり専門的な知識が必要です。担当されている税理士の先生方に相談され、計算の仕組みを考えてみるといいでしょう。それで、儲かっている製品、赤字を出し、足を引っ張っている製品、儲けさせてくれている得意先、要求だけきつくて儲けさせてくれていない得意先等の分析ができます。それを基にいろいろな戦略が取れるようになってきます。製造原価の計算ができるようになると、月次でも製品や材料の在庫の把握もできるようになります。それでしっかりと正確な実績を把握し、それを羅針盤として経営のかじ取りをしていくことが必要です。
 あなたは、いつまでも過去の経験と「勘ピューター」に頼った経営をしますか?

(スマイルグループ 公認会計士)

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2012年10月11日 木曜日

平成24年9月23日第322号

肢体不自由の障害年金の改正について  
 
 平成24年9月1日から肢体不自由の障害年金について、認定基準が改正されました。肢体不自由の主な障害認定基準として、上肢の障害・下肢の障害・肢体の機能の障害の3つがあり、脳梗塞や脊髄損傷のような脳・神経系統の障害や、筋萎縮性側索硬化症・リウマチ・多発性筋炎のような多発性の障害に関しては、上肢の障害・下肢の障害の基準を適用せず、肢体の機能の障害によって認定するとされております。この肢体の機能の障害に該当した場合、上肢の障害や下肢の障害と比べて等級が低くなってしまうという不利益が存在しておりました。

 例えば、事故などで神経を損傷し、右足だけ完全に麻痺をして筋力が喪失した場合ですと、「下肢の障害」であれば2級となるところ、「神経系統の障害による肢体の機能の障害」で認定され、一上肢・一下肢のみの障害の場合は3級とするとされていました。外見上、共に右足が日常生活に用をなさない状態ですが、かたや2級で、かたや3級になってしまうという不利益が発生しており、ずっと問題提起されておりました。 そのような不利益を解消するために、今回の改正では、肢体の機能の障害で認定しなければいけないと定められている障害においても、その障害が一上肢・一下肢にのみ障害が存在している場合は、それぞれ上肢の障害・下肢の障害の基準で認定すると変更になっております。 

 障害者雇用で採用された従業員さんや、脳梗塞を発症してしまった従業員さんがおられましたら、今回の改正によって障害年金の等級が変更される可能性があります。しかし、年金というのは申請主義となっており、患者さんから額改定請求という等級変更を求める申請をしない限り等級はそのままです。

 また、すでに障害年金を受給されておられる方には、定期的(数年毎:障害のケースによって、2年・3年・5年・7年・永久認定)に更新の手続きがあるのですが、その更新の際に等級が上がることはめったにありません。自分から申し出ないと等級が上がりませんし、年金機構から受給者に改正の案内が行くこともありません。該当者がおられましたら、是非今回の改正の案内をしてください。 

 (スマイルグループ 社会保険労務士 )

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