労務ニュース スマイル新聞

2012年5月23日 水曜日

平成24年5月23日第314号

労働組合から団体交渉を申し込まれたら
 辞めた労働者等が一人で入れる労働組合に加入して、会社に団体交渉を申し込
んでくるケースが増えています。その場合、とりあえずどのように対処するべきか
をお伝えします。

 FAX等で団体交渉を開始する通知が送られてきます。日時と場所を指定してき
ますが、殆どのケースで、御社の会議室等を指定してきます。そのような時には、
「あいにくその日時は都合がつかないので、日時と場所について後日通知します。
」と返事をしてください。無視をするのは違法行為になってしまう恐れがあります。

その上で、団体交渉を行う場所を手配します。ここでの注意点は、

・御社以外の施設を利用する。
・借りられる場所の閉館時間の1~2時間前から閉館までを抑える。

 以上の点がなぜ重要かと申しますと、労働組合はより有利な条件を飲ませようと
心理的圧力をかけてきます。そのため、御社の会議室等を使用すると、他の従業
員に聞こえるように声を荒げたり、終了時間が来ても帰らず居座ったりし、早く解決
をして問題から逃れたたいと経営者側に思わせるようにしむけます。そうなると、早
く解決をしたいばかりに向こうの言い分を飲まされてしまいがちです。しかし、場所
を会社外にしますと、他の従業員への影響は抑えられますし、閉館時間が来れば
強制的に終了される事ができますので、労働組合が交渉を粘って帰らせてくれな
いという事態は防げます。この2点だけでも相手から受けるプレッシャーを相当軽
減できる効果があります。

 次にICレコーダー等で録音するのはお勧めできません。話し合った内容を文章
に起こす作業が必要になった場合、相当な労力が必要となります。もし、労働組
合側がICレコーダーで録音するのであれば、正確性を確認するためにこちらも録
音する事をお勧めしますし、侮辱的発言をされるので名誉毀損で訴える場合も録
音は必要となりますが、それ以外は書記役がその場でまとめた方がスムーズに
進みます。労働組合側も依頼された労働者の手前高圧的な態度で臨んできます
が、決裂させてしまうと裁判するしかなくなり、労働組合に依頼した意味が無くなり
ますので、決定的な対立を望んでいるわけではありません。よって、こちらは余裕
を持って対処すればいいでしょう。
(スマイルグループ 社会保険労務士)

投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL

2012年5月16日 水曜日

平成24年5月8日第313号

職場のパワーハラスメント
 「パワーハラスメント(略してパワハラ)」という言葉がよく使われ、社会問題と
なってマスコミにもよく取り上げられます。パワハラとは、和製英語であるpower
harassmentの略語で、権限を濫用して嫌がらせを行うことであり、セクシュアル
ハラスメントと異なり、法律上の定義もなく、その防止を直接義務付ける法律もな
いのが現状です。

 その様な中で厚生労働省では、3月に「職場のパワーハラスメントの予防・解決
に向けた提言」を取りまとめ公表しました。「職場のパワーハラスメント」とは、同じ
職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係等の職場内の「優位性を背景(
上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間などの様々な優
位性を背景に行われるものも含む)」に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身
体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいい、次の6類型が挙げられ
ました。

1.身体的な攻撃(暴行・傷害)
2.精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
3.人間関係からの切り離し(隔離・仲間はずし・無視)
4.過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、
  仕事の妨害)
5.過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低
  い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
6.個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
 
 「職場のパワーハラスメント」は業務上の指導と線引きが難しく、1~3以外の
ケースでは「業務上の適正な範囲」であれば本人が不満に感じてもパワーハラ
スメントには当たらないと指摘されています。具体的判断については、各企業・
職場で認識をそろえ、その範囲を明確にすることが望ましいとしています。
 特に今回の報告では、上下関係を示す職務上の地位だけでなく、人間関係や
専門知識等を背景にした嫌がらせによる同僚同士や部下から上司に対する行
為も「パワーハラスメント」とするよう提案をしています。

 対応策としては、予防するために
1.トップのメッセージ 2.教育する 3.ルールを決める
4.周知する 5.実態を把握する。
 
解決するためには、
1.相談や解決の場を設置する 2.再発を防止する等が挙げられています。

企業の職場環境において、また、リスク回避の為にも対応が必要です。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
 

投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL

2012年5月15日 火曜日

平成24年4月23日第312号

平成24年度税制改正
 本年度の税制改正で、主だったものは以下のような内容で、平成24年3月30日に成立し、同年4月1日から施行されています。
 なお、社会保障と税の一体改革として、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」が平成24年3月30日に国会に提出されています。この中で、消費税法の税率の改正や、相続税の基礎控除の縮減等が改正案とされています。

1.個人所得税関係
     ・住宅ローン減税制度の拡充   (認定省エネ住宅の特例の創設)
  ・給与所得控除に上限を設定   (給与収入1,500万円超は一律245万円)
  ・特定支出控除の支出範囲の拡大及び適用判定基準の緩和 (給与所得控除
   の総額→2分の1)
  ・勤続年数5年以下の法人役員等の退職金について、2分の1課税を廃止
2.相続税・贈与税関係
 若年世代への資産の早期移転や省エネルギー性・耐震性備えた良質な住宅ストックを形成する観点から、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を拡充・延長する。
  ・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充・延長(3年延長)
  ・山林に係る相続税の納税猶予制度の創設
3.法人税関係
 国内での企業活動を活性化させ雇用の維持・拡充を図っていくこと、東日本大震災からの復興を着実に達成するために、企業の国際競争力の強化や経済成長につなげていくことが重要な課題となっているなかで中小企業の支援、研究開発、環境保護を図る観点から改正・措置を講じる。
  ・研究開発税制の増加額等に係る税額控除制度の延長(2年延長)
  ・環境関連投資促進税制の拡充(太陽光・風力発電設備に係る即時償却制度
   の創設)
(スマイルグループ 税理士)

投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL

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