労務ニュース スマイル新聞

2019年5月 8日 水曜日

令和元年5月8日第481号

人生100年時代と雇用環境


1.高齢者の定義が変わる?
いよいよ、令和の時代が始まりました。昨年、「ライフシフト100年時代の人生戦略」という本がベストセラーになりました。また、日本老年学会・日本老年医学会では、65~74歳を準高齢期、75~89歳を高齢期、90歳以上を超高齢期と定義の見直しを提言している時代です。もちろん、人の価値観は百人百通り、おかれた環境も百人百様。他人は他人、自分は自分かもしれません。しかし、こんな統計があります。「何歳まで収入を伴う仕事をしたいですか?」(平成30年度内閣府調査)に、実に42%の人が「働けるうちはいつまでも」が最も多い回答になっています。前書「ライフシフト」でも、今までは「教育・就職・老後」の3ステージモデルだったが、今後は4ステージ以上になるだろうと想定されています。
2.60歳以上の雇用環境
ご承知の通り、少子高齢化を背景に、昭和22年制定の労働基準法を中心に大きく法律が改正され、平成31年4月から次々と「働き方改革法」が施行されています。なぜ働き方を変えるのでしょうか。前掲内閣府調査で60歳以上の就業状態は、男性60~64歳で約79%、65~69歳で約54%、女性で同約53%、同約34%という数字が出ています。また、改正高年齢者雇用安定法の施行もあり、定年を「65歳以上」とする企業は約18%と、この10年で3倍に増えています。
3.高齢者雇用の課題
  ある企業は「定年制なし」として、従業員の方も80歳代で生き生きと働いておられるケースもありますが、現実には勤務体制や賃金設計をどうするのかは企業にとって大きな問題です。改正高年齢者雇用安定法後、企業では、従業員の定年後は責任と権限を限定するというケースが主流であり、雇用管理は調いながら、報酬や評価システムは追い付いていない状態ではないでしょうか。
今後、高齢従業員の戦略化、知識・スキル・ノウハウの伝承等を期待するなら、バリアフリー化、AIの活用、時差出勤、短時間勤務、テレワーク、また、賃金カーブの見直し、リカレント教育の実施、ノウハウや経験の伝承につながる職務開発等細かな配慮と取り組みが必要になります。また、従業員も年金の繰り下げ受給の検討、雇用保険の給付など、利用できる制度を活用してスキルアップや資格取得に取り組み、自身が戦力として期待されるような努力も必要になるでしょう。


投稿者 イケダ労務管理事務所

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