労務ニュース スマイル新聞

2018年4月 8日 日曜日

平成30年4月8日第455号

有機契約労働者の無期転換について


1.現状
平成24年に改正された労働契約法第18条は、有期契約で働いている労働者を反復契約し5年を超えて雇用すると労働者の希望に基づき、無期契約での雇用に転換することが記載されています。平成25年4月以降に締結された有期契約から対象となり、早ければ今年の4月から無期転換が発生します。企業によっては、最近の求人状況等を考慮し有期契約を無期契約へ積極的に切替えることで労働者の囲い込みを進めている会社もでてきています。規模の大きな企業ではこうした積極的な雇用方針の変更を探る会社も見受けられますが、中小企業においては、無期転換への対応策がまだ定まらないでいる会社が多いのではないでしょうか。
正社員は既存の定年制度によって雇用の終了が決められていますが、「無期転換ルール」に基づき、雇用の終着点が無くなった労働者を企業側としてどう対応するかを定めなくてはなりません。自社の雇用状況をよく理解し役割と待遇に不合理性が無く、差異に対してはきちんと説明できる就業規則とする必要があります。第18条では無期契約期間とする旨の記載であり、他の条件の変更を要求しているものでないからと、無期転換者の労働条件を個別の雇用契約で定めたとしても、正社員の就業規則に劣る内容であれば第12条により雇用契約の定めは無効となり就業規則の定めが適用されます。
また、無期契約転換の申入れは口頭でも成立しますが、後々のリスク回避を思えば無期転換権について会社側から労働者へ事前に周知しておくべきです。有期社員用就業規則があればそこに、無ければ有期雇用契約書に無期転換申込の手続きを明記し周知しておくのが良いでしょう。労働者に無期転換申込の権利を放棄させる誓約書等を書かせたとしても、これは法の趣旨に反するものとして無効となる可能性が高いと思われます。

2.対応策
勿論、企業ごとに雇用されている労働者の状況によるところが大きいのでしょうが、一般的には、第二定年制を取入れている企業が多いです。その場合、第二定年を何歳で設ければよいかは、有期契約者の人数や年齢層さらに正社員の定年年齢との比較等をした上で定めることになります。場合によっては、第三・第四の定年制を設けることもあり得るやもしれません。


投稿者 イケダ労務管理事務所

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