労務ニュース スマイル新聞

2015年1月15日 木曜日

平成26年12月23日第376号

退職後も競業しないように言えるのか?

1.原則は縛れない
 退職後、元職員には、「職業選択の自由」が認められています。そのため、例えば、会社が時間をかけ、教え込んだ金型製造ノウハウ、技術を用いて、元職員が会社と同業の金型製造業(競業)を始めることも原則として自由です。しかし、元社員が、会社が開拓した顧客に営業をし、顧客を奪っていったとしたら、納得できるでしょうか?

2.競業避止義務に関する合意の有効要件
 このようなことを防ぐためには、あらかじめ「競業避止義務」を定めた就業規則、合意をしておくことが大切です。但し、「職業選択の自由」との関係から、「合理的範囲」と言えなければ無効となってしまいます。

その際のポイントは、裁判例を検討すると、
(1)労働者の地位
(2)使用者の固有の秘密・ノウハウの保護を目的とすること
(3)競業制限の対象職種・期間・地域が不当な誓約にならないこと
(4)代償措置の有無に
あるとされます。

3.企業側の出来る対策とは 
 裁判例から2.のポイントをふまえて、具体的に競業避止義務の「合理性」の判断をしてみます。
(1)営業職の場合、内勤の職員に比べて、その「地位」から合理性が認められや
 すいでしょう。技術系専門職の場合、長期間その専門技術を身につけたのに、
 その専門を活かす仕事がまったく出来ないと、合理性が認められにくい方向に
 働きます。
(2)顧客台帳、技術、ノウハウが「秘密」として、特定の職員にしかアクセスできな
 いなど、保護、管理されている場合、「ノウハウ」の保護のため、競業避止義務
 が認められやすいでしょう。
(3)期間については、1年以内、最長でも2年以内を目途にした方がいいでしょう。
 地域、職種も限定しておかないと、合理性が否定されやすいです。
(4)競業避止義務を課すかわりに、金銭の支給があると認められやすい方向にな
 ります。職業を縛ることになるので、労働の対価とされる「退職金」に加えて「秘
 密保持手当」等の支給がある方が、よりよいでしょう。

 大まかに言うと、希望する職業が出来ないことによる元職員の不利益があまりに大きく、それに対して、会社側の守るべき利益が少ない場合には、合理性が認められません。合理的かどうかを迷う場合には、社会保険労務士、弁護士などに相談しましょう。

(スマイルグループ 弁護士)


投稿者 イケダ労務管理事務所

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