労務ニュース スマイル新聞

2014年8月 1日 金曜日

平成26年7月8日第365号

労働災害を予防する方法について

 労働災害(以下「労災」と言う。)が発生すれば、労災保険から各種の補償給付がありますが、被災者本人の人生設計に支障が生じ、企業にも負担が生じます。
 勿論、事後の補償給付は大切ですが、いかに予防するかの工夫が最も大切です。
 過去の発生事例から予防方法を考えることができますので、参考にしましょう。

1.印刷会社オフセット印刷機に腕を巻き込まれた事案
 印刷機の配紙ローラーの埃を取り除くため、労働者がローラーを回転させ、刷毛で清掃作業をしていたところ、着衣の袖がローラーに巻き込まれたもので、厚さ1ミリ以下の隙間に腕を引き込まれ、肩関節まで巻き込まれたところで機械が停止した。
<負傷程度>  右腕挫滅、頚椎骨折
<災害の原因> 作業着の長袖のボタンが外れていたため、袖から巻き込まれた
           もの。
<予防方法>  安全管理規程において作業前の着衣点検の実施を定め、確実
           に励行する。

2.ひき肉製造機(ミートチョッパー)に指を巻き込まれた事案
 業務多忙で多量の原料肉を詰め込んだため、機械内部で詰まりが生じ、手を入れて詰まった肉を除去していたが、詰まりが除去できたところで機械が動いたため、刃に指を巻き込まれた。
<負傷程度>  右全指切創全治3ヵ月
<災害の原因> 電源を切らなかったため、機械内部の詰まった肉を取り除いた
           時点で、刃が作動したため、指が巻き込まれたもの。
<予防方法>  詰まった肉の除去作業時は、電源を切ることを安全管理規定に
           定めて徹底する。

 10人未満の事業所では、就業規則を労働基準監督署へ届け出る必要はありませんが、労災を予防するためには、就業規則に加えて安全管理規定を定め、作業開始前の準備の点検及び作業方法について、手順を定め、励行の徹底を図ることが必要です。
 就業規則は事業所と従業員を労災から守る大切な定めです。小さな規則が大きな安全を担保します。
(スマイルグループ 社会保険労務士)


投稿者 イケダ労務管理事務所

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