労務ニュース スマイル新聞

2014年8月 1日 金曜日

平成26年7月23日第366号

労働安全衛生法の改正と「ストレスチェック」
 化学物質による健康被害が問題となった胆管がん事案の発生や、職場から受けるストレスによる精神障害を原因とする労災給付の支給決定の件数の増加等、最近の社会情勢の変化や労働災害の動向に即応し、また、労働者の安全と健康の確保対策の一層の充実のため、「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が平成26年6月25日に公布されました。
 改正は全部で7項目ありますが、なかでも改正の目玉であるストレスチェックについて記載します。労務管理や就業規則の見直し等が必要か、検討してみましょう。

 「労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師又は保健師による検査(ストレスチェック)」について(施行日は公布日から1年6ヵ月以内、今後政令で規定)
 (1)常時使用する労働者(厚生労働省は「基本的に健康診断の対象者と同様と
  想定している」とコメント。)が50人以上の事業場は、年1回、従業員にストレス
  チェックを実施することが義務付けられます。
 (2)検査結果は、検査を実施した医師、保健師等から直接本人に通知され、本
  人の同意なく事業者に提供することは禁止されます。
 (3)検査の結果、一定の要件に該当する労働者から申出があれば医師による
  面接指導を実施することが事業者の義務となります。
 (4)面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴き、必要に応じ就業上の措置を
  講じることが事業主の義務となります。
   また、(3)の申し出をした労働者に対し、不利益な取り扱いをしてはならず、
  (4)に関しては、今後事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るた
  めの指針が公表されます。
 (5)検査や面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た
  労働者の秘密を漏らしてはならず、これには、行為者も事業者にも罰則があり
  ます。

 しかし、医師の意見を聴いた上で、作業の転換、労働時間の短縮等の措置が必要となった場合、きちんと対応できるでしょうか?意図的とまでは言わなくとも特定の業務を忌避する労働者が出る可能性があったり、当該措置を実施した後に不調者の職場復帰プログラムを作成したりする必要があるかもしれません。また、ストレスチェックは無料ではないので、予算措置を行う必要も出てきます。
 50人未満の事業場は当分の間、ストレスチェックの制度は「努力義務」ですが、きちんとした制度を考える良い機会かもしれません。
(スマイルグループ 社会保険労務士)


投稿者 イケダ労務管理事務所

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