労務ニュース スマイル新聞
2012年9月19日 水曜日
平成24年9月8日第321号
年次有給休暇
労働基準法第39条(年次有給休暇)に「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。(以下省略)」と規定されています。
「労働日」とは、原則として暦日計算によるものとされています。したがって、通常の勤務が時間外労働によって翌日の午前2時までに及んだ場合、当該翌日が年次有給休暇(以下、年休)取得日であれば、歴日による1労働日とはならず、年休を与えたことにはなりません。同様に、年休取得日に年休取得者を会社へ一時的に仕事で呼びつけた場合も年休を与えたことにはなりません。
年休の不利益取扱いに関しては、労基法附則第136条に「使用者は、年休を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。」と規定が置かれています。精皆勤手当及び賞与の額の算定等に際し、欠勤日等として取扱うことは、権利として認められている年休取得を抑制するすべての不利益な取扱いはしないようにしなければならないとしています。
では、年休取得時に皆勤手当を減額する措置は、上記の附則第136条に抵触し、必ず無効となるのでしょうか。
判例では、年次有給休暇取得時の皆勤手当減額については「法の趣旨からみた場合には必ずしも望ましいものではない。」としています。
しかし、「その趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、年休の取得に対する事実上の抑止力の強弱等の事情を総合的に判断した結果、年休取得を抑制し、かつ、その権利の保障を失わせるとまではいえない場合、年休取得時における皆勤手当の減額は有効」(沼津交通事件、最高裁二小、平5.6.25判決)とした裁判例もあります。
通常、年休取得時の皆勤手当減額を行う際、その減額の程度等を勘案し、年休取得を著しく抑制することのないよう取扱うことが必要となります。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
労働基準法第39条(年次有給休暇)に「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。(以下省略)」と規定されています。
「労働日」とは、原則として暦日計算によるものとされています。したがって、通常の勤務が時間外労働によって翌日の午前2時までに及んだ場合、当該翌日が年次有給休暇(以下、年休)取得日であれば、歴日による1労働日とはならず、年休を与えたことにはなりません。同様に、年休取得日に年休取得者を会社へ一時的に仕事で呼びつけた場合も年休を与えたことにはなりません。
年休の不利益取扱いに関しては、労基法附則第136条に「使用者は、年休を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。」と規定が置かれています。精皆勤手当及び賞与の額の算定等に際し、欠勤日等として取扱うことは、権利として認められている年休取得を抑制するすべての不利益な取扱いはしないようにしなければならないとしています。
では、年休取得時に皆勤手当を減額する措置は、上記の附則第136条に抵触し、必ず無効となるのでしょうか。
判例では、年次有給休暇取得時の皆勤手当減額については「法の趣旨からみた場合には必ずしも望ましいものではない。」としています。
しかし、「その趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、年休の取得に対する事実上の抑止力の強弱等の事情を総合的に判断した結果、年休取得を抑制し、かつ、その権利の保障を失わせるとまではいえない場合、年休取得時における皆勤手当の減額は有効」(沼津交通事件、最高裁二小、平5.6.25判決)とした裁判例もあります。
通常、年休取得時の皆勤手当減額を行う際、その減額の程度等を勘案し、年休取得を著しく抑制することのないよう取扱うことが必要となります。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
投稿者 イケダ労務管理事務所