労務ニュース スマイル新聞

2009年3月23日 月曜日

平成21年3月23日(第238号)...リスクアセスメント[6]

これまで5回にわたり説明してきましたが、先ずは簡単なところからやってみて、「この方法は使い物になりそうだ。」ということになると、本格的に導入することになります。
リスクアセスメント導入の検討
 担当部署或いは担当者を決め、職場の安全衛生活動の問題点を明確にし、問題点をリスクアセスメントによってどのように解決するかを検討し、導入の必要性を自ら理解します。導入効果が期待できることを確認した後、リスクアセスメント導入提案書を作成します。
トップによる導入宣言
 事業場のトップがリスクアセスメント導入を決定し、自ら導入を宣言します。トップの導入宣言に基づきリスクアセスメント導入計画書を作成します。芝居じみていると思われるかも知れませんが、お祭りも必要なのです。導入計画書には次のような項目を含みます。
  1.導入の目的、目標
  2.推進組織、責任体制
     事務局、リスクアセスメント実施チーム、対策実施部署を明確にします。
     それぞれ責任者を任命します。定例的な会議を設定します。議長は「会して議せず。議して決せず。」にならないようにしなければなりません。
  3.導入対象
     最初は職場を限定して導入し、試行錯誤と改善によって習熟し、その後実施
     対象を拡大することが実際的です。
  4.実施マニュアルの作成日程
  5.実施マニュアルによる試行日程
  6.教育訓練の実施計画
  7.職場での試行日程
  8.リスクアセスメントの正式導入日程
  9.リスクアセスメント導入に必要な費用の見積り
 費用の見積り額によっては、導入対象職場を少なくするなど、計画を縮小することも必要になるでしょう。最初から完璧を求めず、小さいところから育てていくことが必要です。
 従業員数の少ない事業場では一人が幾つもの役をこなす場合が多く、リスクアセスメントを実施する場合も計画から実施までごく少数の人数で行う場合があると考えられますが、計画書や報告書は決めたとおりに作成し、他部門への連絡が滞ることのないように特に留意しなければなりません。
 アセスメントを1回で終わることなく、PDCAのサイクルを回すことによって安全度は確実に向上していきます。思い立ったが吉日、早速始めてください。
(スマイルグループ 社会保険労務士)



投稿者 イケダ労務管理事務所

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