労務ニュース スマイル新聞

2008年7月 8日 火曜日

平成20年7月8日(第221号)...中小企業の経営承継円滑化法について



平成20年5月9日に民主党を含めた与野党賛成のうえ、参議院で可決され新たに創設されたこの法律は、1.民法の特例、2.金融支援、3.相続税の課税の特例の3つが柱となっています。 そこで、この法律の概要と留意点などについて、解説することとします。
1.民法の特例
一定の要件を満たす後継者が、遺留分権利者全員との合意及び所要の手続(経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可)を経ることを前提に、以下の民法の特例の適用を受けることができることとしました。
(1)生前贈与株式等を遺留分の算定基礎財産の対象から除外できる。
(2)生前贈与株式等の評価額をあらかじめ固定できる。
従来の遺留分放棄は当事者全員が個別に申立てを行う必要がありましたが、改正後は、後継者が単独で家庭裁判所に申立てができることになりました。 民法特例の後継者は、先代経営者の遺留分権利者、すなわち、基本的に配偶者や子供のみが対象となり、かつ、合意の時点で単独で株式の過半数を保有していることが必要となっています。
2.金融支援
経営者の死亡等に伴い必要となる資金の調達を支援するため、経済産業大臣の認定を受けた中小企業者及びその代表者に対して、以下の特例を設けることとしています。
(1)中小企業信用保険法の特例 (対象 中小企業者)
(2)株式会社日本政策金融公庫法の特例 (対象 中小企業者の代表者)
この金融支援は、親族外承継や個人事業主の事業承継を含め、次のような幅広い資金ニーズに対応します。
(1)相続に伴う株式・事業用資産の散逸を防ぐための取得資金
(2)後継者の信用低下による取引先からの取引条件悪化や金融機関からの借入条件悪化時の運転資金
(3)親族外後継者が親族より株式等を取得する資金
(4)多額の相続税負担が発生したときの資金などが挙げられます。
3.相続税の課税の特例
事業承継の際の大きな障害の一つである、後継者の自社株式にかかる相続税負担の問題を解決するため、平成21年度の税制改正において、経済産業大臣の認定を受けた非上場中小企業の株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税を納税猶予(雇用確保を始めとする5年間の事業継続が要件)する制度が創設される予定で、その適用については平成20年10月1日に遡って適用される予定です。   
(スマイルグループ 不動産鑑定士)



投稿者 イケダ労務管理事務所

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