労務ニュース スマイル新聞

2007年7月23日 月曜日

平成19年7月23日(第198号)...住宅ローン減税と税源移譲の影響



住民税の税源移譲問題がクローズアップされています。税率改正により、ほとんどの方の場合、所得税が減税、住民税が増税となります。これに伴って従来から住宅ローン減税の適用を受けていた方のローン減税額が減ってしまうケースが生じるため、これに対応すべく、減額される部分の金額について、住民税から控除する仕組みが設けられました。

(1)所得税の住宅ローン減税額が減ってしまうケースとは?
住宅ローン減税の控除額は、借入金の年末残高×1%(又は0.5%)で計算されますが、控除されるのは、その方の所得税額が限度のため控除額が減ってしまう方が出てしまいます。
【例】課税所得180万円、住宅借入金残高1,500万円(控除率1%)である場合
<改正前>  所得税 18万円 - ローン控除15万円=税額 3万円
       住民税  9万円     →          9万円
<改正後>  所得税  9万円 - ローン控除 9万円=税額 0万円
       住民税 18万円     →         18万円
となって税率改正により、6万円が控除できなくなってしまいます。

(2)改正による不利益部分を住民税で控除を受けるための手続き
所得税の住宅ローン減税の適用を受けるためには、初年度は確定申告が必要で、2年目以降は給与所得者は年末調整で控除を受けることができます(それ以外の方は確定申告必要)。
では住民税で控除するケースはどうかというと、給与所得者であっても、改めて手続きが必要になります(年末調整時に自動精算はしてくれません)。具体的な方法はまだ明らかにされていませんが、確定申告期限(3月15日)までに市町村に申告をしなければいけないことになりそうです。この手続きは初年度だけでなく、毎年継続しなければなりません。

(3)平成19年以後に居住開始の場合の取り扱い
上記の経過措置は平成11年から平成18年までの間に居住を開始した場合に限って適用されます。平成19年以降に居住開始の場合には、この取り扱いはなく、次の通りとなります。
控除期間が原則の10年と特例の15年の2通りの方法が選択できますので、もし控除額が切り捨てになってしまうようでしたら、15年の方を選択すると良いでしょう。
年末残高限度額は、居住開始が平成19年は2,500万円、平成20年は2,000万円
原則 1年目~ 6年目 1%     7年目~10年目 0.5%
特例 1年目~10年目 0.6%  11年目~15年目 0.4%
※現行税制では、住宅ローン減税は平成20年までの時限措置となっています。
                (スマイルグループ 不動産鑑定士)
 



投稿者 イケダ労務管理事務所

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