労務ニュース スマイル新聞

2005年12月 1日 木曜日

平成17年12月1日(臨時号) 過重労働・メンタルヘルス対策

過重労働による健康障害の防止のために、事業者が講ずべき措置等については、時間外労働が月100時間または2~6ヵ月の平均で月80時間を超えた場合に、産業医の面接による保健指導、産業医が必要と認める場合に臨時の健康診断を行なうこととされていました。これは、脳・心臓疾患の発生に影響を及ぼす最も重要な要因として、発症前1ヵ月~6ヵ月の間で上記時間外労働の関連性が強いと判断されているからです。

事業者は、厚生労働省令で定める一定時間(月100時間)を超える時間外労働等を行った労働者を対象として、医師による面接指導等を行うことが義務づけられました。
面接指導を行う労働者以外でも、健康への配慮が必要なものについては必要な措置を講ずるよう努めなければならない、ともされています。
なお、事業者は常時使用する労働者を雇い入れる時、以下の項目について健康診断を実施しなければなりません。

1.「雇い入れ時の健康診断」

(1)既往歴および業務歴の調査 (2)自覚症状および他覚症状の有無

(2)身長、体重、視力、聴力 (4)胸部エックス線検査 (5)血圧測定 

(6)貧血検査 (7)肝機能検査 (8)血中脂質検査 (9)尿検査

(10)心電図検査

 以上の項目のうち3ヵ月以内の受診で証明書の提出があれば省略できます。また、事業者は常時使用する労働者について毎年、定期に健康診断を実施しなければなりません。

2.「定期健康診断」
検査項目は上記(1)~(10)に喀痰検査を加えたものです。なお、35歳未満の者、36~40歳の者で医師が必要でないと認めた者については、(6)~(8)(10)を省略することができます。
通勤災害保護制度の対象の拡大
通勤災害とは、労働者が住居と就業の場所を「合理的な経路および方法」で通勤する場合に、その途中で起きた災害(業務に起因するものを除く)のことを言います。もともと、労働者災害保障保険法は業務に起因する負傷、疾病に対する保険給付を担当しておりましたが、その後、「就業のための通勤」という考えに基づき、通勤上の負傷、疾病についても労災保険で保険給付が行なわれるようになりました。
さらに今回、複数就業者が事業場の間を移動する場合も通災の対象となりました。この際、保険関係の処理は「第2の事業場」(第1の事業場から向かった先)で行ないます。
また、単身赴任者の場合、帰省先住所と赴任先住所の間を移動する場合も、通災の対象となります。(月1回以上の反復継続性が必要です)

                     (スマイルグループ 社会保険労務士)





投稿者 osaka-genova.co.jp

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