労務ニュース スマイル新聞

2003年4月23日 水曜日

★第96号(4/23)試用期間について★

 春は卒業の季節、新入社の季節です。従業員を採用するときに、試しに働いてみて貰う、という意味で試用期間が設定されることが一般的です。この間に社員として充分勤まると判断されると正式採用となり、不適格と判断されると採用を取り消す権利を事業主が保有しておくというものなのです。試用期間の長さは3ヵ月程度が多くなっています。しかし、明日で満3ヵ月になるという日に「貴方は社員として適格とは認められないから、採用を取り消します」と解雇することができるでしょうか?
 事業主は従業員採用の自由を持っていますので、従業員として不適当と判断した場合にはその従業員を解雇できますが、試用期間中といえども労働契約を締結して働いているわけですから、みだりに解雇することはできません。少なくとも、上の場合には事業主は30日分の解雇予告手当を支払わなくてはなりません。解雇予告手当を支払わなくてもよいのは日雇労働者で連続して雇われたのが1ヵ月未満の場合と、試用期間を明示の上、14日までに不採用を通知する場合と、2ヵ月以内の短期間雇用した場合及び4ヶ月未満の季節的労働者の場合だけです。
 期間の定めのない雇用の場合には、試用期間中といえども解雇通知すると、解雇無効を訴えて裁判を起こされることがあります。試用期間中の解雇については三菱樹脂事件ほか多数の裁判例があります。三菱樹脂事件は,大学在学中に学生運動をしていた労働者がその事実を身上書に書かず、面接試験にも学生運動をしていなかったと事実を隠していたことがわかり、試用期間満了の直前に解雇されたというものです。
 この労働者は、労働契約に基づく権利の確認と賃金の支払いを求めて裁判を起こしました。東京高裁は、雇用契約上の権利を認め、賃金の支払いを命じましたが、最高裁はこの判決を破棄し、東京高裁に差し戻したのです。しかし、東京高裁での差戻審で和解が成立し、労働者は現職復帰しています。結局解雇は撤回されたわけです。
 就業規則に「試用期間を3ヵ月にする」と書いてあっても、無条件に解雇が認められるわけではありません。その期間内は理由が明確であれば解雇できますが、試用開始14日以後では解雇予告手当が必要です。さらに安全を期す場合は、一旦2ヵ月以内の短期雇用契約を結び、その間に求職者の適否を見て、正社員としての採用がokなら長期雇用契約に切換えるのが良いでしょう。




投稿者 osaka-genova.co.jp

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